
かもとり権兵衛
むかし、むかし、ある所に「権兵衛」というカモ取りがおりました。
ある夏の日、権兵衛はどうしたら一度に百羽のカモをつかめられるかと考えていました。ふといい考えが浮かびました。
権兵衛は長い紐の先に豆を結び、池に投げ入れると、カモが池に降りてくるのを待ちました。
まもなく一羽のかもが豆を見つけ呑みこみました。豆はカモのお尻から出てきました。別の1羽が豆を見つけ呑みこみました。豆はカモのお尻から出てきました。他のカモの豆を見つけ呑みこみました。豆はカモのお尻から出てきました。次の朝、権兵衛は百羽のカモが湖面でねているのを見つけ、紐で繋ぎました。権兵衛の足音を聞いて、百羽のカモは目を覚まし空に飛びあがりました。
「待て!逃がさないぞ。」権兵衛は紐にしがみ付きました。カモは、権兵衛もろとも雲の上を飛んでいました。権兵衛は、疲れて紐から手を離すと、雲の上に立っていました。そこでは、雷様が眠っていました
雷様は目を覚まし、瓢箪を取り出して言いました。「これから村に雷雨をかけるところだ。ちょっと手伝ってくれないか。水がこの瓢箪の中に入っている。いくら使っても水はなくならないぞ。」神様が稲妻を起こす度に、権兵衛は村に水をかけました。村人は空を見上げながら、雨に大喜びです。権兵衛は雲の上で水かけを楽しんでいましたが、足を滑らせ地面に落ちてしましました。権兵衛は空から落ちて、地面の中に突っ込みました。そこには地震の神様が眠っていて、その音で目を覚ましました。
「丁度いい時に来たな。ちょっと手伝ってくれないか。あそこの柱を揺するのを手伝ってくれ。」
権兵衛は神様と一緒に柱を揺らしました。
「地震だ。」
「お父さん。起きて。朝ですよ。」
目を覚ますと妻が揺すっていました。権兵衛は枕をしっかり抱きしめ、汗で布団はびっしょりでした。夏の夢でした。(kudos)