へびともぐら

mole むかし、むかし、蛇はうつくしい声をしていましたが、目がありませんでした。地面の下の暗い穴に住んでいました。いつも、目が欲しいな、と思っていました。
「声の代わりに目があったら、野原の美しい花が見られるのになあ。」と思いました。
一方、モグラは目はありましたが、声が出せませんでした。野原に住んでいました。歌が大好きで、いつも、声が欲しいな、と思っていました。
snake 「目の代わりに声があったら、毎日歌が歌えるのになあ。」と思いました。
ある日のことです。蛇はモグラと出会って、自分の目とモグラの声を交換しました。
蛇は、野原で美しい花が見られて幸せです。
モグラも、声が出せ、静かな地面の下で歌がたくさん歌えて幸せです。
もっとも誰もモグラの歌を聞いた人はいませんが。(2004.2.25)

snake and mole