因幡の白うさぎ

むかし、むかし、ある島にうさぎが住んでいました。
ある日のことです。対岸の岬に行きたいと思いましたが、泳げません。
うさぎは、ある考えを思いつくと、さっそく実行しました。
うさぎはサメに言いました。
「サメさん。あなたの家族と私の家族ではどちらが大きいと思う。」
「もちろん、僕の方さ。」
「じゃ、数えてみましょう。みんな、ここに集めて、この島からあの岬まで一列に並んでくれる。私が上を走って数えてあげるわ。そうすれば、どちらが大きいかわかるわ。」
Rabbit and Shark 数日後、すべてのサメが海の上に並びました。うさぎは、数えるふりをしてサメの背中を飛び越えて行ききました。そして岬に着くと、うさぎはサメに言いました。
「騙されたとも知らず馬鹿なサメさん。ここに来たかっただけよ。おばかさん。」
騙されたと知ったサメはうさぎぎを捕まえると皮を剥いでしまいました。
うさぎは、どうしたらよいのかわからず泣いていると、サメが言いました。
「海に入ると直るよ。」
言われたとおり海に入ると、ものすごい痛さです。
「騙されたとも知らず馬鹿なうさぎ。おばかさん。」とサメが言いました。
うさぎは、どうしたらよいのかわからず泣いていると、若者が通りすがりました。
「川の水で体を洗ってガマの粉を振りかけなさい。そうすれば、よくなりますよ。」
言われたとおりにすると、うさぎはよくなり、元の白うさぎになったとさ。めでたし、めでたし。(2004.7.16)日本神話より

A white hare in Inaba