
かちかち山
昔、昔あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいた。二人は、いたずらたぬきにいつも悩まされていました。おじいさんはがまんでいなくなり捕まえることにしました。
おじいさんは見事たぬきを捕まえましたが、ずるがしこい狸はおばあさんをだまして縄をほどかせました。
「おばあさん、もういたずらは二度としませんから、縄をほどいてください。」
しかし、縄をほどいてもらうと、たぬきはおばあさんに飛び掛かっていきました。
「ばかめ!」とうとうおばあさんは死んでしまいました。
これを聞いた前山のウサギは、親切なおばあさんの仇をうつことにしました。
うさぎはたぬきをだまして、たぬきにたきぎを背負わせました。
「たぬきさん、私、前山に住んでいるうさぎよ。たぬきさん大好き。家までたきぎを運ぶのを手伝って下さらない。」
うさぎは、こっそりと背中のたきぎに火をつけました。「カチ、カチ。」
たぬきは背中におおやけどをしました。
次の日、うさぎはたぬきをだまして、薬のかわりにからしを塗りました。
「たぬきさん、私、中山に住んでいるうさぎよ。たぬきさん大好き。やけどを直してあげるわ。」
「いたい!!!」
次の日、うさぎはたぬきをだまして、魚釣りにさそって、泥の舟を作らせました。
「たぬきさん、私、後山に住んでいるうさぎよ。たぬきさん大好き。魚を食べたくない。私は木の船を作るから、たぬきさんはどろの舟を作って。体が大きいからどろの舟の方がいいわ。」
たぬきが乗ったどろ舟は川の中に沈んでいきました。
「助けてくれ・・・」
たぬきは溺れ死んでしまいました。(2002.3.3)