
ふくろうの染物屋
むかし、むかし、森にふくろうの染物屋さんがありました。森の鳥たちは、そこで羽根を染めてもらいました。
ある日のことです。からすさんが、その時はまだ白だったのですが、染物屋さんに行きました。
「ふくろうさん、森一番のきれいな色で染めてくれる。」
「いいですよ。森一番のきれいな色で染めてあげるわ。」
ふくろうさんは、からすさんが椅子で眠っている間に、からすさんを真っ黒に染めてしまいました。
からすさんは目が覚めて驚きました。
「何だ。この色は。黒は汚ないよ。染め直してくれよ。」
「でも、黒は森一番きれいな色ですよ。」
「そんなわけないよ。僕は黒はやだよ。他の色にしてくれよ。」
「すみませんが、黒を他の色には変えられません。」
それからというもの、からすさんは、ふくろうさんに会う度に冷たく扱いました。
そんなわけで、今でもふくろうさんは、からすが恐くて昼間は外に出られません。ふくろうさんは、からすさんが寝静まってから、こっそり外にでます。(2004.1.13)