
すずめの瓢箪
むかし、むかし、ある所におばあさんが住んでいました。あばあさんは、いつも機嫌がよくありませんでした。
ある日のことです。すずめが庭に飛んできて、さえずりました。
「うるさい。」と怒鳴ると、竹の棒を、すずめに投げつけました。すずめは、羽根に大怪我をして、となりのおばあさんの家に駆けていきました。
おばあさんは、すずめを、やさしい眼差しで見て、言いました。
「おやまあ、どうしたんだい。」
おばあさんは、とても心優しく、すずめの看護をしました。
しばらくすると、怪我もなおり、すずめは、飛べるようになりました。
「山へお帰り。となりのおばあさんの所に行ってはだめですよ。」
数日がたちました。すずめが、やさしいおばあさんの所に飛んで来て、さえずると、小さな瓢箪を置いていきました。
おばあさんは、それを手に取って、振ってみました。何と、振れば振るほど、お米が出てくるではありませんか。
おばあさんは、亡くなるまで、お米で困ることはありませんでした。めでたし、めでたし。(2004.1.6)